実際、日本では首都圏や一部の大都市を除けば住宅の供給も豊富で価格も安く、かなり若い年齢で住宅を入手する事が可能になっている。逆に、首都圏や一部の大都市は過度集中の結果、住宅の価格は依然として異常に高く、勤労収入で住宅を購入することは一生かかっても容易でない事が多い。ところが、これらの地域では賃貸住宅であれば適当な価格で借りる事ができる。したがって、これからの勤労者の生活設計は、これらの地域では持家を志向せず、適切な価格で住宅を賃借し、むしろ郊外や地方に別荘を持つようなライフスタイルがむしろ合理的であろう。
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そうであるとすれば、こうした観点から見てもこれからの賃金プロファイルは若い時代の賃金を嵩上げし、それ以後は勾配の低い昇給カーブへと再設計してゆくことが合理的である。そうした賃金プロファイルの下で若い世代は、可処分所得が高まるから消費がふえてより豊かな生活が可能になる。また、個人の消費の増加と同時に、住宅など生活基盤にかかわる公共インフラの充実すなわち社会資本ストックの蓄積がますます重要な役割を果すことになり、民間部門と公共部門の両面で国内消費と投資が充実して貯蓄・投資バランスにおける貯蓄超過が是正され、国際経済の観点から見てもより整合的な日本経済像を構築できるだろう。