日本の場合、受託先はほとんど固定されている。メーカーは市場のニーズに直接ふれることがない。消費者ニーズがつかめないというのは中間に問屋・卸か介在しているからだ。このように、日本とイタリアのファッションの置かれている立場は異なっていても、消費者のニーズに合う味わい深い商品を創り出していかない限り、客からそっぽ向かれてしまうのは同じである。では、なぜ、イタリアファッションが、わが国で人気を呼んでいるのか。プラグやアルマーユ、ヴェルサーチ、クリッツィア、ミッソーニ、ヴァレソティーノ等の名前などが知れわたり、売れないといわれる日本のファッション市場で売れているのはなぜなのか。これは日本のアパレルへの問題提起だろう。さて、いま日本のアパレルが岐路に立たされていることはすでに述べてきた。これまでの道を踏襲し続けるのか。それともSPAの転換する道を歩むのか。もし、SPAの道を歩むとすればどんな条件をクリアしなければからないのか。その一つとして、リスクへの挑戦をあげた。では、それは具体的にはどんなことなのか。
当時、記者会見で、「一○年後には全世界に出店し海外一兆円の売上高を目指す」と将来の構想を明らかにしたのが印象的であった。次期二〇〇二年八月期売上高一四・七増、営業利益一六・六%増を見込んでいた。年が明け、二〇〇二年一月八日、八月期の単独決算が減収減益になる見通しと発表した。原因は、消費者にあきられたことや競合商品が増えたことが響いたとした。これまでユニクロは、中国での一貫生産をテコに高品質の商品を低価格で販売し、デフレ時代の勝ち組として躍進してきた。しかしいま大きな曲り角を迎えている。はたして再び勢いをとりもどすことができるのか。業績を下方修正した経緯は次のようなものである。一つには天候要因。加えて消費者に驚きや新鮮さを与える商品開発ができず購買意欲を喚起できなかった点をあげている。つまり今の価格で品質を上げる商品の提供が必要だという分析である。現在五五〇店ある店をさらに五〇〇店は出店できる可能性も強調している。
「背広やネクタイをやめれば、もっと快適に働ける」という件も妙である。まず背広やネクタイ姿より、それを身につけない方が快適に働けるのかという疑問が湧く。服装は個々の問題である。ネクタイを締めた方が、身が引き締まる人もいるだろう。少なくとも私自身はそうだ。暑い時期に、ネクタイをきっちり締めれば、涼しげに見えるときもある。休日の電車の中は砕けた服装だらけで、いかにもしまりがない。大切なことは、自分だけ快適であっても、周囲がどんな風な印象で自分を見るかだ。それが服装術というものである。服装とは、まず他人のためのものと心得るべきだ。カジュアルなスタイルは難しい。難しい理由は、だらしがないことが、すぐに露わになるからだ。ネクタイを外しただけで、収まりがつかなくなる人もいる。さらにこの文章は、「背広やネクタイ」を身につけないことが、カジュアルであると特定しているように受け取れる。背広とネクタイ姿でも、カジュアルなスタイルはある。