「近代における人権の確立」という言い方に示されるように、その能力は、労働する人自身の所有するものとして認められている。労働者は、自分のものである能力を、自分で相手を選んで(といっても、相手もまた誰を雇うかを選びますから、思い通りにいくとは限りません)提供するのです。その提供と見返りに賃金という報酬を受けとるのですから、言いかえれば労働力を売るのです。売った労働力は、買われた労働力は相手のものになります。労働者は、労働するときは、自分の意思で労働するのではなく、労働力の買手の、つまり雇主の意思に従って労働することになります。労働者とはブルー・カラー(肉体労働をする人)のこと、ホワイト・カラー(事務あるいは精神労働をする人)は労働者ではないというのはウソ。雇われて働く人は労働者です。
鉄鋼のようなハードな産業に比べて、価値の高い知識・情報型のソフトな産業の比重が大きくなることを、経済のソフト化といいます。モノのよりも知識やサービスが重視される現象を、経済のサービス化と呼びます。秋のミカン狩りの舞台になるのは観光農園です。ここで生産者はひたすら農業に励む段階から、消費者を取り込んでサービスを提供するところへ進んでいます。こどもたちが喜ぶキャラクター商品はどうでしょう。ただの筆箱なら、こどもたちは見向きもしませんが、人気アニメが刷り込んであれば飛びつきます。これもソフト化現象の一例です。ここでのポイントはハードの段階と、ソフトの段階の付加価値の違いです。平凡な筆箱なら900円でしか売れませんが、キャラクターグッズなら2,000円でも買う人がいます。それを企業の立場からみると、プラスチックで筆箱をつくって得るもうけよりも、筆箱をキャラクター商品に変身させて売る利益のほうが大きいということです。
中小企業が倒産してもメインバンク等の銀行団の被る影響は小さい。そのためメインバンクが主導して各行の債権放棄を取りまとめてくれることなど、ほとんど期待できない。このため債権放棄を中心とする任意の再建スキームを策定、実行することは極めて困難である。さりとて会社更生手続を利用することも難しい。会社更生手続はその重武装さゆえに大企業向きと言われ、申立て、利用の条件も前記??特にメインバンク等の支援により資金繰りに問題がないことが要求される。メインバンクの支援がないために任意の再建スキームを取り得ない中小・中堅企業が、この条件を満たすことは困難である。こうしたことから、これまで唯一残されていた手段が和議の利用であった。しかし、和議は再建の手段としては十分ではなく、金融機関、取引債権者の和議に対する評価、信頼も低く、再建は難しかった。これでは中堅・中小企業は破産するしかなかった。ところが、2000年4月より和議に代わり再生手続が導入された。再生手続は和議の欠点を改善し、これらの企業が利用しやすく、かつ再建しやすい手続である。この意味で再生手続は、経営破綻した中堅・中小企業のはじめて設けられたセーフティネットと位置付けることができる。